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武秘流長捲術 真の型

古武道型「武秘流長捲術 真の型」を撮影しました。
撮影2015年1月~3月にかけて アルコ清洲にて
演武者:田中健策師範



「武秘流長捲術」とは、関ヶ原の合戦のときに、九尺の槍の先が斬り落とされたときに、刀を先に縛って戦ったことから生まれた、水戸に伝わる伝統武道です。400余念、太刀との戦いに負けたことがない、と言われています。
もともと「長巻」とは、普通の柄では振りにくい長大な刀を振りやすくするために、単に柄を長くしたもので、刀や槍よりも簡単に扱えるために、雑兵などに渡されていた武器のことをいいます。刀から発展したものなので、主な使い方は「切る」ことで、特に馬の脚を「払う」ことに使われました。長槍や火縄銃の導入により、戦が隊列を組んだ集団戦になっていくことで、だんだんと使われなくなり、江戸時代以降は、より積極的に柄の長さを利用するために作られた長柄武器である「薙刀」と混同されていきます。
翻って「武秘流長捲術」における「長捲」とは、上記にもあるように、「長巻」という言葉が本来指し示していた「単に柄を長くした刀」ではなく、先端に付いているのが通常の薙刀よりも長いものを指します。
また薙刀術のように、積極的に柄の側を使う技術も取り入れています。刀の側で切ったり突き刺したりする場合も、石突の側で叩いたり突いたりする場合も、柄の上で手を滑らして、出来る限り長く長捲を使えるようにしてください。

「真の型」における足捌きは、すべて「飛び違え」です。後ろ足を前足の真横に出し、前足を後ろに引くことによって、約60センチ横へ移動します。これが振り下ろした刀を避けながら、刀を抑えたり相手を攻撃する標準的な足捌きです。
これは杖術の型「方円流杖術 真の型」と同様です。ただしこちらは、開始時に爪先に線を引けば、一切そこから踏み出さないのに比べ、長捲の真の型は、突く際にすり足で足を踏み込むので、多少の前後運動はあります。
歩く動きは、「武秘流長捲術 行の型」で鍛錬します。
1ヶ条の最初の右手提げ棒の構え「浮き木」は右手を水平から少しだけ斜め下に伸ばし、刃先がだいたい体の正面に来るように構えてください。
浮き木
体の前が開くような構えではいけません。また腕が曲がらないように。最初は重いかもしれませんが、振っているうちにそのままじっと支えられる筋力がつきます。
最初の横面打ちは、「首の皮を一枚残す」という意識で売ってください。
その後の、右手を右腰に、左手を左肩に引く構え「足位」は防御の基本的な構えです。
足位
両手をしっかり引きつけて、長捲が体に沿っているように気をつけましょう。構えに隙がないか、バランスはとれているか、意識しましょう。
長捲の刃を高く上げる構え「天地」(普段は剣術からの流れで「八相(はっそう)」と読んでたりしますが)、は右手を耳、左手をお腹につけ、体からあまり離さないようにして、前後左右に傾けないように気をつけてください。
天地
振りかぶるときは、右手を後ろに引かないように気をつけてください。隙が出ます。真上に両腕を上げるようにすれば、隙を出さずに勢いをつけることができます。
石づきを後ろに引く「鶺鴒(せきれい)」の構えや、刃を右後方に引く「脇構え」の時に、後ろに引きすぎたり、体に巻きつけたりしないように気をつけてください。
鶺鴒
脇構え
前の手(左鶺鴒なら右手、脇構えなら左手)の肘を必ず相手に向けるように残して、前方への意識を保たなくてはいけません。その肘で相手と戦う、という気概を持ちましょう。
最後の切りつけは、1ヶ条のみ、大上段から臍下までの切り落とし、あとは斜めに袈裟斬りです。
切ったあとの跳ね上げは、相手の刀を払って突きの準備をしています。
跳ね上げ
左手を下に押し下げながら、右手を胸の方に引きます。体にくっつけすぎず、刃先は相手への攻めの意識を持たせます。
棒の型の「末吉の棍」や「添石の棍」を学んだ方は、それらの棒の引き付け方とは違うことに気をつけてください。
止めの突きは、長捲を脇に挟むまでしっかり突き切ります。
突き
必ず右手の甲が上になるようにねじってください。
突いたあとの「残心」も忘れずに。
残心
3ヶ条と5ヶ条にある、「足位」から相手の刀を払う動きは、左手を強く腰に引くことが肝要です。実際に相手に木刀を持ってもらい、相手の手がビリビリするような払い方ができるように鍛えましょう。
9ヶ条の最初の構えは映像では分かりにくいですが、1ヶ条の最初の構えとは、刃のついてるほうが後ろ、石突が前になっている「逆さ浮木」の構えです。気をつけてください。
逆手天地
10ヶ条の最初の構えも分かりにくいですが、石突が下にして、刃を脇に挟んでいます。刃の向きが上にならないように注意。
脳割
8ヶ条の最後の下から跳ね上げる動きは、下から切りつけています。刃先の向きに注意。
6ヶ条と7ヶ条と10ヶ条と11ヶ条の最後にある「捲き打ち」は、馬の足を刈って、馬上の敵を打ち倒す動きの名残です。ここでは刀を払って切る動きになっています。
横に払うときは自然に右手を滑らして、払った瞬間に長捲を最も長くし、頭の上に振り上げた時は袈裟切りに備えて、少し長捲を短めに持つようにしましょう。自然に最適な位置に手が滑るのが「棒の自由自在」の要点です。
11ヶ条の最初の片手の捲き打ちのみ、元々の意味を鑑みて、下段を払いましょう。
11ヶ条の最初の構えは深く腰を落とすことが重要です。
飛入
力を溜めて一気に動きましょう。

11本全て覚えるのは大変ですし、似た動きも多いので、最初に学ぶときは、1と2と5と6と7の5本を、多少慣れたら、それに9と11を入れた7本を覚えて練習するといいでしょう。
これらの動きが、行の型や、長捲の組術「長捲組み太刀術」の基本となるのでしっかり研鑽してください。

武秘流長捲術は、棒と刃物があれば、棒の先に刃物を括りつけて行える民衆武術(武器を持たない民衆が身を守るために編み出した武術)の一種です。
我々はこの歴史ある武術を後世に残し、我々が生きるための護身術の研究に活かしていきたいと考えています。
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コメント

No title

富田道場はまだ開いていますか?

Re: No title

> 富田道場はまだ開いていますか?

返信が遅れて申し訳ありません。
富田道場は昨年、門下生の減少により、閉鎖しました。
職務怠慢により、ブログの情報が古いままで申し訳ありませんでした。
もし御用がありましたら、水・土曜日の7時から9時までアルコ清洲で開いている清洲道場までお越しください。
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